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No.12

つつい・やすたか
 1934年大阪府生まれ。SF黎明期の1960年にSF同人誌「NULL」を主宰。著作に「虚人たち」(泉鏡花文学賞)、「夢の木坂分岐点」(谷崎潤一郎賞)、「ヨッパ谷への降下」(川端康成文学賞)、「わたしのグランパ」(読売文学賞)など多数。俳優としても活動中。

とんでもない「論点」が出現した!

ドグマに満ちた論調の「喫煙大国 日本」「禁煙強化へ4つの提案」なる文章が5月11日の読売新聞朝刊「論点」欄に出現した。中央大学教授の石弘光という人物である。とても学者ともインテリとも思えぬ独断で、自分が喫煙しないからというのでひたすら喫煙者を撲滅しようとする自己本位的な議論を押し通している。必ずや苗字に引っかけて「石頭」の徒名を得ているに違いない。

まず厚生労働省が発表したという、喫煙が原因の死亡者が毎年10万人にのぼるという馬鹿げた推計をとりあげ、その関連の医療費が1兆3000億円になるという非常識な数字を持ち出している。すべて推計であり、医療費も「喫煙関連医療費」なのである。これらは要するにすべての死亡者の中から喫煙者のみを拾い出した数字であり、直接の死因は無視していて、ちょっと考えればわかることだが、医療費も、喫煙者が喫煙以外の原因で病気になった場合を含めた総額を算出しているのである。さもなければこんな莫大な、非常識な、馬鹿げた数字が出てくるわけはないのだ。だいたいこれらの死者、排気ガスその他の犠牲者の中から喫煙による死者をどうやって弁別したのであろうか。明確にして貰いたいもんだ。

「そこで禁煙の次のステップに向け、われわれは発想の転換を図らねばなるまい」と書いているのだが、何が発想の転換だ。喫煙者の人権も認めようというなら発想の転換になるが、禁煙運動という発想はそのままで、単にわがままを推し進めているだけではないか。この魯鈍者は、次のステップへの提案として4項目をあげているが、いずれもまことに禁煙ファシストの考えそうなアイディアばかりだ。

第一に、たばこ産業の「健全な発展」という考え方を放棄しろと言っている。「たばこは健康の害になります」という表示を入れただけではまだ納得できないらしく、遠まわしにたばこ産業を潰してしまえと言っておるわけであり、まさにユダヤ人殲滅に並ぶファシズムここに極まれりと言うべきであろう。

第二に、自動販売機をなくしてしまえと言っている。ほんとは煙草屋をなくせと言いたいところなのだろうが、さすがに業者からの反撥に脅えたのであろう。

第三に、列車は全車禁煙に踏み切るべきであると言っている。このおっさん禁煙者の癖に喫煙車輛に乗るのかと思って驚いたが、そうではなく、喫煙車輛から禁煙車輛に流れ込む空気のことを言っているのだ。あのなあ、何度も言ってきたことだが、そんなに空気に敏感なら、当然あんたはスモッグ立ち込めるそこいら辺の道路も歩かず、車にも乗らず、密閉した家から一歩も外に出ていないんでしょうな。

「十数時間に及ぶ国際線での空の旅は、すでに全面に禁煙であることを考えれば、無理なことではあるまい」そら出た。ファシストの議論だ。「ユダヤ人を10万人殺した。全部殺すのも無理なことではあるまい」ここには喫煙者に対する惻隠の情などまったくない。まことにこの人物たるや、今に「死んだ人間は喫煙しないから、喫煙させないために喫煙者すべてを殺せ」と言い出しかねないヒトラー的キャラクターと言えよう。

最後に、煙草の値段を3〜4倍に引きあげたらよい、と言っている。今度は殺す前にもっと苦しめてやれというサディストの発想である。「これによる税収の減少を、政府は憂うべきではない」というえらそうな提言が最後の文章である。これが我が国の嫌煙者の姿だ。こんな人物に教わっている学生はどれほどの自己本位的な性格に成長することであろうか。

今月のお薦め

わが家に最も近い喫茶店「カフェ・ル・セゾン」をご紹介!

穏田商店街、以前ご紹介した「七厘」の並びにあり、わが家まで徒歩1分という、わが家に最も近い喫茶店「Cafe Les Saisons」は、約四坪、約二十席の小さな店である。小生は商店街へ買い物に行ったついでによくここへ立ち寄り、コーヒー(420円)を、夏ならアイス・コーヒー(420円)を飲む。ママがひとりで朝の十一時から夜の十時までやっていて、誰に気兼ねすることもなく煙草を喫える気楽な店だ。

ただし日曜日はやっていない。どうやら日曜日にぞろぞろやってくる裏原宿探索の若い連中がママのお気に召さないのではないかと思うが、さだかではない。

正午から午後一時半ごろまでは、評判がいいらしくて、昼食をとりにやってくる近所の人で混みあっている。ランチは八百二十円からでチキンとハンバーグがある。他にポテトオムレツが六百円、ドライカレーとピラフが六百五十円、トーストは三百六十円でハムがつけば四百二十円である。

安価で旨い軽食とコーヒーの店、「Cafe Les Saisons」へ行こう!もしかしておれに会えるかもね。