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『訊いてきました』
第1回: 全国たばこ販売協同組合連合会

「全国たばこ販売協同組合連合会」(全協)は、どこの町にもあるタバコ屋さんの組合組織。加盟する約10万のタバコ屋さんへの助成活動などと共に、地域の美化活動、未成年喫煙防止の働きかけなどを通じて、地域に根ざしたタバコ屋さんの育成と保護活動も行なっています。

今回は、タバコの増税、タバコ屋さんの実状、増税より怖い話がテーマです。

たばこ税の組み換えで、復興財源を捻出

――震災の復興財源としてタバコの増税案が報道されていますが、全協としてのお考えを訊かせてください。

その前に、現在の「たばこ税」について、愛煙家の皆さんはあまりご存じないようなので改めてご説明しましょう。例えば、410円のたばこは、264.4円、つまり64.5%が税金です。

内訳は、国税が106.04円、地方税が122.44円、たばこ特別税が16.4円、そして消費税も19.52円課税されています。分かりやすくしたグラフが全協のサイトにありますので是非ご覧ください。愛煙家は高額納税者であることをもっと自覚して欲しいです。


(さっそく、全協サイトより拝借)
※ http://www.zenkoku-tabakoya.jp/tobacco/zei.html

――410円から税金の264.4円を引いた残りの約146円で製造、流通、タバコ屋さんの利益を賄うのですね。成田空港の免税店でワン・カートンが1,500円くらいで買える訳ですね。それにしてもタバコは税金集めの優等生ですね。そして更に50円の増税案。具体化されるとどのような影響を予想されますか?

まだ国が検討中ということなので仮説ですが、タバコ税の平均50円増税が決まると去年10月にも値上げされておりますから、1年少々という短期間で、約200円も値上がる銘柄も出てくる可能性があります。

――そうなると喫煙者はつらいですが、タバコ屋さんにも影響が...?

私ども(全協)は、いわゆる町のたばこ屋さんの集まりです。昨年の増税以前から大手量販店さんや、コンビニエンスさんにお客様が流れてしまっていて、どうやって回復しようかと試行錯誤している最中でした。そして増税が実施されて顧客が離れ、たばこ屋さんは非常に厳しい状況が続いています。

民主党政権は、マニフェストで喫煙率の低下を目的に掲げていることもありますから、毎年の増税はなくても、場当たり的な増税は十分考えられます。もし平成24年に増税の話が出たら、全国のたばこ屋が一丸となって抗議しようと構えていました。

ところが、3月11日に震災が起こり、復興財源としていろいろな増税案が出てきました。

最近の報道等で「まずは、たばこを狙い撃ち」という話がチラホラ聞こえてきます。そうなると、被災地のタバコ店の復興を阻害することだけでなく、愛煙家、零細なたばこ店を守る事が難しくなります。全協としては断固反対の立場です。

――被災地全体の復興はもちろんですが、喫煙者として、被災地のタバコ屋さんの状況が気になるところです。

東北連合会、福島県連合会、茨城県連合会を通じて加盟店の被災状況を調べたところ店舗・家屋の損害・流出など全半壊は、732件。半壊にまで至らなくても被害額が200万円以上を予測される店舗354件で、合計1,086件の被害をうけました。死者・行方不明者も多数と報告を受けています。また、今現在も地震・津波・原発など様々要因で避難生活を続けているたばこ屋さんも多くあります。テントのような仮設店舗で営業を?再開されたたばこ屋さんはありますが、被災した多くのたばこ屋さんは再開の目処が付いていないようです。

JTやたばこ関連企業などの被災によって、出荷停止や出荷制限が行なわれた4月は、全国で前年比マイナス41.1%にまで落ち込み、被災地だけでなく全国的に影響がありました。

先程も申しましたが、昨年の増税によって全国の零細なたばこ店は打撃を受けました。復興が名目とはいえ、更なる増税となれば、特に被災したたばこ店の販売再開さえ困難にするのではないかと心配しています。

――何かいい手立ては、ないものでしょうか?

被災地全体の復興が被災地のたばこ店にもよい影響を、という公平な立場から、たばこ税の組み換えが効果的だと考えています。これは、たばこを増税しないでいい方法として各方面に申し入れしようと思っています。

具体的に申しますと、1箱につき約17円払っている「たばこ特別税」があります。これは、旧国鉄(現JR)の清算事業団と、林野庁の整備事業に使われています。

現在JRさんは、かなりの利益を上げられていらっしゃるわけだから、そのお金は不要ではないでしょうか。

そうすれば、1千数百億という金額を復興財源にまわせるわけです。

国会では「歳出の見直し」が議論されているようですが、たばこ税だけでもこのような工夫が可能なのです。

タバコ屋さんの店内、シガー・バーでも喫えない?!

――税金もそうですが、地方の受動喫煙に関する条例が騒がしいですね。

最近では神奈川県に次いで、兵庫県で受動喫煙防止の条例化が検討されています。「兵庫県受動喫煙防止対策検討委員会」による報告書案を読みましたが、一部の民間施設を除き、既に設置した喫煙室を強制的に撤去、といった酷い内容も盛り込まれています。

民間事業者代表として参加している委員たちの意見はほとんど反映されず、規制内容の検討は不充分な状態で進められています。

分煙はあくまでも「暫定措置」で、結果的に全店禁煙にせざるを得ないのは、あまりにも不当ですし、経済的にも多大な影響を及ぼす一方的な規制としか言えません。

※本部注「兵庫県受動喫煙防止対策検討委員会」の最終報告書は、2011年7月29日に県知事に提出されました。

――他県はどうでしょう?

兵庫県ほど検討は進んでいませんが、千葉県でも条例化の検討が行われています。いずれにしても喫煙者だけでなく、民間事業者の自由も剥奪する過剰な条例は容認できません。

――国会でも、喫煙者にとって好ましくない法律の改正案が提出されそうですね。

増税以上に怖い話ですね。

ほとんど報道されておりませんが、神奈川県の受動喫煙防止条例、いわゆる禁煙条例よりも更に厳しい内容で、決まると条例でなく法律ですから日本全国で喫煙が制限されます。

――詳しく。

厚生労働省が中心となって「労働安全衛生法の改正」を検討しています。

これは、事業主が労働者を雇用する際には雇用者の安全対策をしなければならないという法律です。例えば、工事をする時にアスベスト対策としてマスクなど防護装備の徹底や、危険性の告知、健康診断などの対策を行なうよう決められています。

職場などでの喫煙環境について、今まで国は、喫煙対策のガイドラインとして言及していました。

ガイドラインでは、喫煙室を設置して非喫煙場所へ粉じんが流れないように気流や、濃度を管理するよう勧めています。

しかし、今回はガイドラインではなく、法律という形で神奈川県以上の厳しい条件で施行しようとしています。

これまで一般事業所の喫煙環境は施設管理者に裁量が委ねられて?いました。改正後は全面禁煙または厳しい基準を満たした空間分煙以外の選択肢を認めていません。たとえば、シガー・バーでも喫煙を楽しめなくなる可能性があります。

――これまで施設管理者に裁量を委ねられていた一般事業所とは?

一般の企業や工場など、いわゆる会社。それと、喫煙場所を提供する喫茶店やバーなどの小規模飲食店、ホテル、遊技場などが一般事業所です。改正案が通ると、これらの事業所も、強制的に全面禁煙か、床から天井まで遮蔽した空間分煙の対応義務が生じます。

――会社はともかく、居酒屋や喫茶店は厳しいですね。

当面の措置として、これまでの形態を認めるようですが、現在の建築基準法で定められている倍以上の換気量を求めています。
イメージとしては窓を全開にして、更に業務用の扇風機を数台稼働させているような状況だと思ってください。

――それって、外気と室内が同じ温度になりそうですね。エアコンの電気代が凄そうです。喫煙室設置による分煙を決断しても、設備投資が大変そうですね。神奈川県では設置費用に1,000万円以上も掛ったという飲食店の例があります。

簡易的なものでも200〜500万円は必要でしょう。飲食店、ホテルなどに限定して財政支援もあるという噂ですが、検討されているのは設備費用の1/4、上限200万円までです。空調設備の変更などが重なると1,000万円を超えるケースも出てくると思います。

――もし、事業主も従業員も全員喫煙者の場合はどうなんでしょう?

全員が喫煙者であっても、規制の範囲に含まれます。喫煙コーナーではなく、基準をクリアした喫煙室を作って分煙するという事になります。もしくは全面禁煙。

――必要性を感じませんね。

まったく同意見です。全面禁煙、分煙、そして全面喫煙という選択肢があってしかるべきです。

しかし、流行りの禁煙条例にしても、厚労省の改正案にしても、分煙基準を非常に高いレベルに設定し、ほぼ全面禁煙を強いる内容になっています。

これは、公聴会を開いたり委員会を設置たりして皆さんの意見を聞いている体裁をとっていますが、禁煙ありきで進められていて、喫煙者の意見は無視されていると感じています。

本来は、喫煙するお客さんが多い居酒屋さんや喫茶店などは、従業員さんも含めたお店側の判断で、入口に「喫煙席のみのお店です」と表示して、たばこの煙を避けたい方には迷惑をかけしないように、喫煙される方には心地よいお店として選択できる幅があっても良いと思っています。

――では、分煙設備費用を捻出できるお店のみが喫煙可能という事ですね。

設備費用があっても、お店の広さで物理的に設置できない場合が沢山出てくると思います。ファミリーレストランのような広い空間なら、喫煙室と非喫煙場所との間に距離を設けて煙が干渉しないように出来るかも知れませんが、距離が取れない喫茶店やバーなどは全面禁煙しか選択できないと思います。

――先ほどシガー・バーも、と伺いましたが...。

「喫煙者だけが入る場合もある」という事を含めた法改正であれば良いのですが、現在の案では、シガー・バーに行っても、わざわざシガーを持って喫煙室へ、ということになります。ただ、一般のシガー・バーは、煙の干渉をさけられるほど店舗が広くないので、ほとんどが閉店を余儀なくされるでしょう。

――禁煙のシガー・バーはOKって...、コントですね。ちなみに、タバコ屋さんではどうなんでしょう?

たばこ屋さんも、規制されます。
例えば、路上禁煙の条例に引っ掛かっている駅前の店舗などは、店内で「どう?ぞ」と喫煙場所をお客さんに提供することも、「この銘柄もいかがですか?」と試喫をお誘いすることも出来なくなってしまいます。

――少し大きな店舗のタバコ屋さんが行なっているパイプ・クラブのような集まりやサロンはどうなりますか?

改正法案では、分煙の条件を満たした喫煙室に移動して頂くしかありません。
シガーやパイプに造詣が深いたばこ専業店のオーナーや従業員が、煙をくゆらせながらのお客さんとコミュニケーションを交わす風景も見られなくなります。

――タバコ屋さんのサロンもダメ、試喫もダメ...、試食禁止のデパ地下ですね。

まぁ、大金を掛けて煙が入らない設備投資をして喫煙所を作れば別ですけど。

現実的に、たばこ専業店はもちろん、一般的な喫茶店や飲食店は1千万円以上も掛かるかも知れない設備投資は簡単にできないですよ。選択肢は、禁煙にするしかありません。廃業も続出するでしょう。

路上禁煙の条例を取り入れる地域が増えているのに、屋内も禁煙状態となれば喫煙者はどこで喫ったらいいのか、って話です。喫煙できる喫茶店などは町の機能のひとつですよ。

実質的に全面禁煙を全国一律に法律で網を掛けようとしているんです。

ですから、全協としては、改正案に断固反対です。

たばこは財政にも寄与してきたし、文化とも深く関わってきた合法の嗜好品として認められています。国は様々な権利に配慮して頂きたいと思います。

――貴重なご意見、情報を頂きましたが、最後に、ひと言お願いします。

これは、日本全体に言えることなんですが、なんで、全てをゼロかイチの世界に持って行こうとする風潮になってしまったのか...。

日本は古来より、山に行けば山の神様がいますし、海に行けば海の神様、それぞれがどういう神様を信仰しようとお互いを尊重してきた社会なんです。

是か非かという論理をもってこようとするのではなく、三角があれば四角があってもそれぞれを認める知恵を出して譲り合うのが日本の国の良さです。

何かを排除するか否かの論議ではなく、どうやって共存していくかを喫煙者の皆さんにも、非喫煙者の皆さんにも、考えて頂きたいと思っています。

――ありがとうございました。

■まとめ

各地で広がろうとしている禁煙条例だけでなく、全国レベルで喫煙を規制する法案がヒタヒタと忍び寄って来る気配を実感しました。

今回インタビューに応じてくださった「全協さん」、そして「JTさん」などのタバコを売る側の皆さんは、気概はあるものの喫煙者や町のタバコ屋さんを守るチカラには限界があると判断しています。今までの経験からそう思います。

「労働安全衛生法の改正案」のタバコに関する規制は、インタビューにもあるように国会で国会議員が決めるコトです。

国会議員は私たちの投票で決まります。

さて、国内の喫煙者は2千数百万人。

目指すは、「一揆」かも知れないですね。

衆議院の解散はあるのだろうか...。

(文責: Go smoking 友の会 会長)